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Frosty Night(逝くなら霜夜に!)

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この地球に生まれてきた訳は、確かな信念を持つために、制約された条件の中でひとつのことに邁進し、思いを具現化させるため

『包帯クラブ』伝導おばさんになってもいいぞ

c0007384_22281973.jpg普段の読書は図書館か立ち読みで済ませてしまうのだが、久しぶりに本を買った。
天童荒太さんの『包帯クラブ』
今秋、柳楽優弥、石原さとみらで映画化されて話題になっているので、テレビの映画紹介などであらすじを知っている人も多いかも。
実際、会社の休み時間に読んでいたら、およそ小説なんか読みそうもない上司が、
「あっ、映画になった『包帯を巻く話』でしょ? おもしろいの?」
と聞いてきたくらいだから。

簡単に読めそうだからと、本屋で立ち読みしていたのだけど、半分読まないうちに
「参りました。購入されていただきます。」
と、レジに向かいましたです。
天童荒太さんの文章は、普段、グチャグチャだから蓋をして見ないようにしているうちにないことにしてしまったような痛みを、正確な言葉にして形に表してくれる。
蓋を開けるのは、げに恐ろしきことなれど、それを形にして認識することで、妙なカタルシスがあるんだよね。

他の著作については読んだけど内容をほとんど忘れたしまったので、ここで述べるのはやめておく。
ただ、天童さんがいうところの「いまこれを書かなくては」という思いというのは、同年代の人間として『形にしてくれてありがとう』って感謝したいような気持ちだ。

若い子たちに読んでほしいな、と思う。
私は普段、他人に自分の好きな本を薦めたりはしないんだけど、おせっかいおばさんになって、若い子たちに『包帯クラブ』を伝導しまくるつもりだ。
手始めはもちろん我が子たち。
「包帯クラブ読んだ? 読む? というか、読みなさい。青少年はもれなく読んだ方がいい!」
と、うむも言わさず、息子の机に『包帯クラブ』を置き去りにした。
次は娘で、友達の娘さんにも読ませたいし、一冊じゃ足りないかも。

そして、いまさらとか思わずに、歳だけは大人になったみなさんにも、ぜひ読んでほしい。
もし読んで、「なんで包帯巻くのか理解に苦しむ」という感想だったら、「自分の子供のことは理解してる」とか、「子供のことを一番に思っている」とか、死んでも口にしないでもらいたい。
そういうつまらないクソな大人は、まともな子供から『死ね』と思われても仕方がないし、自分が死んだときにその子供らが心から泣いたりしないことぐらいは覚悟してほしいと思う(クソだけに無理だと思うが)。

子供たちは豊かな社会に生きているのに、残念ながら幸せじゃない。
それを、『最近の若者は根性がないし、感謝が足りない』いうクソな言葉で片付けないでほしい。
この間新聞で、20代女性の15%がリストカット経験者という記事を読んだ。
若い人たちにとってそんなに生きにくい世の中になっていたなんて、ショックだった。

だけどね、申し訳ないけど、大人は悪いわけじゃないんだ。
ただ、クソなだけだ。
クソだらけだけど、中には天童さんのように、みんなのこと本気で心配して力になってくれようとしてる大人もいる。
クソな大人はもう救いようがないが、君ら若者はまだ間に合う。
クソな大人に育てられてクソにまみれそうになっていても、まだあなた達には希望があるんだ。
だからぜひ、『包帯クラブ』を読んでください。
活字読むのが面倒だったらコミック版も出ているし、映画でもいいから、このお話に触れてみてほしい。
ぬるい愛を語る小説はごまんとあるし、エグイ空虚を語る小説も腐るほどある。
だけど、そういう混沌とした世界のその先の未来をどう生きていったらいいかを、ゆるぎない信念で描き出してくれる作家さんは本当に少ないから。

筑摩書房の包帯クラブページで、天童さんのインタビューや、物語のサイドストーリー読めます。
『戦わない物語が書きたかった』という天童さんの言葉に、泣きそうになった。
私も戦いたくないし、リストカットする若者達も、きっともう戦いたくないんだろうな、と思うから。

追伸:個人的にはこの表紙は恥ずかしい。
   映画化が決まる前から気になっていた本だったので、ただの新書の表紙のうちに買えばよかったよ。
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Commented by takakozuno at 2007-09-23 00:26
あー、結構前にとても評判良いって聞きました。よまなきゃ
Commented by linket at 2007-09-23 09:48
◆結婚前!? いつの間に!
と、朝からパソの前で泡食ってしまいましたよ!!(すいません・・・)
2時間くらいでサラッと読めますよ。
でも、配役が決まってから読んでいるので(ましてこの表紙だし)、どうしても柳楽君の顔がちらつく。
あーー、窪塚が若かったら、やってほしかった役柄だわ。
と言って、kakanozuno様の読書欲をそそってみる。。。フフフ
Commented by jas-per at 2007-09-24 07:39
あらー。映画のことも本のことも知りませんでした。面白そう。
読みたい、読みます、いや読ませて頂きます。

linketさんてば、『クソ』が多く出てくる時ほど愛が爆発してるような気がして、朝っぱらから『クソ』を数え、ニンマリしています(笑)
Commented by linket at 2007-09-24 14:59
◆愛が爆発かーーー。
確かに、『クソ』は発火剤になっているかもしれません。

クソな大人が、まともな子供を踏んづけているという場面が一番苦手です。
よくスーパーとかで、怒鳴っている親とかみると、グーを握り締めて念を送ったりしてしまいますね。
でも『もう戦いたくない』のだから、なんか違う手を考えないとね。
by linket | 2007-09-22 17:28 | ●頑張れ若造! | Trackback | Comments(4)

この地球に生まれてきた訳は、確かな信念を持つために、制約された条件の中でひとつのことに邁進し、思いを具現化させるため


by hami