小さな種

こうみえて長距離走の選手だったんだから
一瞬、昔の感覚が甦る
自分で風を起こして前へ前へと空間を切り開いてゆく私
どこまでだって行けそうで
なんだってできそうで
でもすでに中年のおばさんになっている身体は
次の交差点までさえも持ちこたることができない
ハア、ハア、ハア・・・
息が上がる
いい年してなにやってるんだろう!?
年だけはくったのに未だに感情的で不安定でおとな気ない自分を持て余す
どうしたらこの荒れ狂う感情をうまくかわせるんだろう
我慢をしたら自家中毒で、他人にぶつけたら悪循環
試しにニコニコニコニコしてみたが、心はしぼんでいくばかり
そうか!
私には言葉があった
感情的な言葉はウソだらけ
感情という落ち葉のその下に隠れた小さな種を捜し出せ!
ガサガサする落ち葉を掻きわけて
さらにその下の腐りかけた腐葉土の下までさぐるんだ!
ああ、ここにあった
小さな種
感情が私ではない
この小さな種こそが私なのだ
大樹へと育ちゆく可能性を秘めた輝く珠こそ
私というものの真実だ

感情的なものをやり過ごす方法は、人それぞれやり方は違うのでしょうけれど、私は書いていると落ち着いてくるのです。
自分の中の小さな種を大切にしてくださいね。
私とはちがうあなたの種が、どんな風に育っていくのかとても楽しみにしていますから。