Frosty Night(逝くなら霜夜に!)

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この地球に生まれてきた訳は、確かな信念を持つために、制約された条件の中でひとつのことに邁進し、思いを具現化させるため

ホームポジション養成ギプス

c0007384_8381210.jpg久しぶりに会ったあなたは、なんだか初めて会ったころのあなたのようでした。
よそよそしかったというのではないのです。
私の目の前にいる人は、和菓子が好きで、入院中のお父上の心配をし、ちょっと体力のないことを除けばなんの心配もいらないという意味で、私がここ2年くらい語りかけてきた不安な子供のようなあなたではなかったのです。

2年前のゴールデンウィーク。
鈍行の最終電車を乗り継いであなたの元へ駆けつけたとき、深夜の病院に潜り込んで、あなたのベッドで一緒に眠ったね。
あなたを守る蛇のように、私はあなたの足元でとぐろを巻いた。

人と動物の境界があいまいだった遠い遠い神話の時代、私はオジュウニサマの蛇だった。
私は人間の子を身ごもり、男の子が生まれた。
人の世界へ下った息子は、そこで家族を作り、ときどき小高い丘の上まで家族と一緒に私を訪ねてきてくれた。
謡い、踊り、笑い、楽しむその姿を見るのがなによりの喜びだった。
貢ぎものも、お供えものも、なにもいらない。
ただ、あなたの幸せだけを祈っていた、見守っていた。
丘の上ですっくと立ち、風に黒髪の「美豆良」(みずら)を揺らすあなたの姿を、私ははっきりと覚えている。
あの姿が、あなたのホームポジションだ。

あれから長い年月が過ぎて、人の世で転生をつづけたあなたは、少しずつ神の光を忘れていき、ついにはホームポジションがずれたままキーを打ち続けることに疲れてしまった。
それが痛いほどわかったから、あなたのホームポジションを覚えている私が、あなたの元へ駆けつけたのだよ。

間違って固定された習慣を、ホームに戻していくのは結構エネルギーを使うことだっただろう。
正直、なんども「もうダメなのか?」とあきらめそうになった。
でも、もはや私だけしか覚えていないあなたのあの姿を私が投げ出したら、あなたは完全に人の世で迷子になってしまう。
だから私は、ときに冷たい強い言葉で、態度で、あなたにホームを語り続けたんだ。

あきらめないでくれてありがとう。
ホームポジション養成ギプスとしての私の役目はもう降板してもいいみたいだね。
そして改めて、これからもよろしく。
新しい、楽しい関係をつくっていこうね。
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by linket | 2006-05-28 08:38 | ●平熱スピリチュアル

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by hami