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Frosty Night(逝くなら霜夜に!)

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この地球に生まれてきた訳は、確かな信念を持つために、制約された条件の中でひとつのことに邁進し、思いを具現化させるため

電柱の景色に愛を見る

電柱の景色に愛を見る_c0007384_2295186.jpgどうしてこんな世界に生まれてきちゃったんだろう、とたまに思う。
街を歩けばみんな我先に人を蹴散らし、怒鳴り散らし、不機嫌を振りまいているばっかりだ。
鬱を経験してから、あんまり人と関わりたくなくなった。
家族と、ほんのひとにぎりの親しい友達。
その小さな世界を、幸せで、仲良くできれるよう、それだけで私はもう精一杯だ。

今度生まれてきたら、チベットの僧になりたいなどと思ったことがある。
祈りに人生を捧げ、自分がそうすることを他人が応援し、認めてくれる。
そして真摯に祈りの人生を全うできるなら、どんなにいいだろうと。
けれど次の瞬間、私はこの混沌とした世界の中でも、祈り続けられる強さが欲しくて、こんな状況に生まれてきたのではないかと気がついて、愕然とする。
そうだった。
静かに、俗世間と離れた僧院で、祈ることだけが祈りではなかったのだ。

家族においしいご飯をつくること。
住んでいる場所をこぎれいに保つこと。
限られた金額でやりくりしながら生活していくこと。
いやなことや辛いこと、うまくいかないことがつづいても、あきらめないで生きていくこと。

そういうことのすべてが祈りになる。
だれかのせいにしたり、依存したり、悪口をいったり、こびたり、言葉の裏を読んだり、自分をよく見せようと画策したり、そんなことをしないですむように。

笑おう。
歌おう。
それが私の祈りだから。

娘が描いた電柱の絵を、部屋に飾った。
乱立する電柱の絵なのに、見ていると涙が出てくる。
こんな不調和の景色の中にさえ、彼女は陽の光のあたたかさを感じ取る。
ああ、そうだね。
この世は美しいことばかりではないかもしれないけれど、だからといって愛を失ってしまったわけでもないのだよね。
by linket | 2006-03-01 22:02 | ●鬱は自立の第一歩

この地球に生まれてきた訳は、確かな信念を持つために、制約された条件の中でひとつのことに邁進し、思いを具現化させるため


by hami