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Frosty Night(逝くなら霜夜に!)

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この地球に生まれてきた訳は、確かな信念を持つために、制約された条件の中でひとつのことに邁進し、思いを具現化させるため

安心できる自分の居場所からの卒業

安心できる自分の居場所からの卒業_c0007384_814198.jpg金曜日、子供達の卒業式があった。
子供の学校の卒業式なんて、形式的に参加するだけのことが多いのだけれど、本当にいいお式だった。
普段、私が属している社会とはまるで違う価値観でイキイキとしている若人がいることの力強さよ!

在校生の送辞では『この学校は私達の誇りです』と言う言葉があり、答辞からは『この学校に来てよかった!!』と、とつとつと語る卒業生代表に、保護者の間から思わず大きな拍手が起こったくらいだった。
この学校の卒業生からは、有名大学に入学する人はほとんどいないし、一流企業に就職できる人間も稀だろうし、政治家や官僚の道に進む人など皆無だろう。
でも、自分の人生に自信を持ち、近しい人と関わり、幸せな人生を送ることの基礎みたいなものを学んだことは大きな収穫だったはずだ。

格差社会はますます固定化していくのかもしれない。
だけど、怖れることはない。
長い歴史の中で、格差がない時代や社会なんてほとんどなかったのだ。
どれくらい他人から評価されるかも、どの階級に属せるかも、どれだけ人より多く持っているかも、幸せの基準にはならない。
収入が低いことや、肩書きがないことが不幸なのではなくて、自分の人生を肯定できず、いくらやっても自分の居場所がないような人生を生きてしまうことこそが不幸なのだから。

卒業式後の娘の祝賀会での子供達のあいさつの中にも、『居場所』という言葉が何度も出てきた。
「家には居場所がなかったけど、このクラスだけは自分を受け入れてくれた。」
「高校までは学校もおもしろくなかったし、人とコミュニケーションとるのがすんごく難しかったのに、みんなは受け入れてくれた。」
「家がグチャグチャで、もう学校行くのも面倒くさくて休んじゃったときに、先生が電話をくれて、それにも出なかったりしたのに、いつも家族みたいに親身になってくれた。」
自分の居場所を手に入れた君たちは、絶対大丈夫だよ!
実際の社会に出たら、辛いこと、凹むこと、打ちのめされることがたくさんあるだろう。
だけど、自分が許され、受け入れられていたこんなホームがベースにあることを忘れない限り、きっと乗り越えていけるよ。

例えば私が、この若者達の軌跡をテレビドラマのドキュメンタリーで見ただけなら、たぶんこんな風には思えなかったと思う。
「そうは言ったって、楽しく仲良くやってるだけじゃ、ダメなんだよ。就活へのアプローチが弱すぎ。」
「結局はこういう力のないお人好しな若者が、搾取されて使い捨てられるんだよ。もっと学校として対策をたてなきゃダメだ。」とかね。
実際、娘はまだ就職が決まっていないし、募集のある企業に問い合わせのメールをしても、名もない学校故か、相手にされないことの方が多い。
だけど、こんなに素晴らしい仲間と出会えたことの方が、とりあえずイイトコロに就職できるかどうかってことより大事なんじゃねえの?って、カウンターパンチをもらった気分だ。

ありがとう。
目の前の君たちのリアルなエネルギーが、生活に疲れたおばさんの鎧を砕いてくれました。
君たちを信用することを忘れない。

そして、私も。
いままでの居場所を卒業し、新しい居場所を作っていくことに意欲的であろう。

追伸:アタクシ発信の『娘ちゃん卒業式に袴を着付けましたわ!』記事は、また後日。
by linket | 2008-03-09 08:14 | ●頑張れ若造!

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