呪いよりも祈りを
探られたり、試されたり、泣かされたり、脅されたり、(心を)踏んづけられたりで、ヘトヘトになった。
前の私だったら、折れていたと思う。
でも不思議なことに、こんな状況で世界が輝いて見えるのだ(精神異常かもしれないが)。
人生で最悪のことがあった同じ日の夕方、きれいなきれいな夕焼けが眼前に広がった。
曇っているのに、雲の切れ目からのぞいた太陽が空を金色に染める。
雨が少しだけ降っていた。
車の運転中だから振り返れないけれど、知ってるよ。
私の背後には、虹も出ているんでしょう!?
ありがとう。
どっちを世界の現実として受け取るかと問われたら、私は迷わず美しい景色を信じます。
最初は私を落としたヤツをこてんぱんに呪おうと思ったのだが、いろんな形でいろんな人(や存在)が愛を送ってくれるから、ろくでなしを呪うなんてろくでもなく思えてきた。
呪いよりも祈りを
人生ってまんざらじゃないと思うのは、欲しいバッグを手に入れたときなんかではなくて(いや、まあ、それはそれで人生のささやかな楽しみではあるが)、こんなふうに誰彼なく感謝したくなる夜なのだった。
先のことはわからないけれど、運があれば道は開ける。
きっと。